冬場にカラオケをやった次の日は大抵風邪をひいている。酷使された喉粘膜からウィルスが入ってきてんだろうか。
 相当な発熱でグロッキーながら、今日は夕方に大事な案件があるので休む訳にはいかない。
 午後に入った辺りから頭痛がやばくなってきたので、上司に許可を貰って薬局に頭痛薬を買いに行く。
 近所の薬局には先客がいました。なんだか見るからにヨイヨイな感じのお爺ちゃん。
お爺ちゃん「バイアグラくれんかね」
店員「バイアグラは医師の処方が必要なんですよー」
お爺ちゃん「んー……バイアグラみたいなもんはないんかね」
店員「他のも医師の処方が必要でして」
お爺ちゃん「んー……やっぱりバイアグラくれんかね」
店員「ですから医師の処方がー」
 以下エンドレス気味。
 つーか爺ちゃん、杖持ってないと歩くのも苦労しそうなくらいにプルプルしてるのに、バイアグラが必要なのか。なんという壮健。
 男児たるもの、老いてなおかくあるべしという姿を見たような気がした。
 エンドレスループに捕まった店員さんとは別の店員さんを呼び止め、成分の半分が優しさなる不審物で出来てるらしい怪しげな鎮痛剤を購入して帰社。