鹿児島以来の友人が亡くなった。
 余り人目に触れるべき内容ではないので隠す。
 長らく入退院を繰り返していたし、そういう予感は常々あったので実の所ショックは余りない。
 もちろん悲しみはあるけれど、それよりも諦念のような「ついにこの時が来たか」という想いを抱いた。
 彼は趣味の道の先達であり共感や尊敬の対象だったが、だからと言って全ての面を肯定できる人でもなかった。
 目下の身ながら苦言を呈した事もあったけど、曖昧に笑ってごまかされる事が多かった。
 それで「仕方ないな、この人は」などと生意気な事を考えつつも付き合いを継続していたのは、今思えば彼の人徳だったのかも知れない。
 俺のような癇の強い人間とは違って、おおらかな人で怒った所は一度も見た事がない。
 他人と意見を戦わす事は少なかったが、我が道を突き進むという意味では他に並ぶ者がなかった。
 終生趣味に生きた粋人だった。
 俺は彼の生き方を全肯定はできない。それでも、彼が得意だった「マッハバロン」を歌うたびに彼の事を思い出すだろう。
 なんだかんだで好きでしたよ、あなたの事。
 w123氏のご冥福をお祈りいたします。