金庸天龍八部を四巻の途中まで読む。
 大理国の王子で学があってハンサムだけども武芸の腕はからっきしな段誉がなりゆきで色々と大変な目に遭うお話。
 行きずりの女の子を人質に取られて彼女を救うために毒を盛られつつメロスのよーにひた走ってみたり、ツンデレ女剣士に馬で引きずられた挙句に嫁にする事になったり。
 挙句、相思相愛になったツンデレ女剣士、木婉清は実は腹違いの妹だったり!
 学がある秀才らしく、道理に外れるのはいけない事とあっさり諦める段誉に対し、木婉清はそれでも添い遂げたいと迫るも拒否されてしまう。この辺、神チョウ剣侶の楊過と小龍女の関係を逆にしたみたいだ。
 武芸はないくせに根性だけは一丁前な段誉は、木婉清の求愛を敢然と拒否。ならば段誉を殺して来世で添い遂げると思いつめる木婉清。ツンデレヤンデレにシフト!
 だが木婉清が凶行に出る前に段誉と木婉清は悪漢にさらわれ、同じ牢に放り込まれた挙句に媚薬を盛られてしまう。
 段誉の実家である段王家に恨みを持つ悪漢は、段誉と木婉清に近親相姦させ段家の名誉を地に貶めようと言うのだ。
 それを知って、必死で堪える段誉。一方で割りとあっさり理性を手放しそうになってる木婉清。エロゲかこの展開。
 だが、段誉の父、段正淳のやたらと頼りになる部下達がトンネルを掘って牢に到達。木婉清を別の少女と入れ替え、悪漢の裏をかく事に成功する。
 でも、その少女も段正淳の隠し子だったりしてー。
 段誉は女関係でやたらにトラブルに巻き込まれるのだが、彼と良い仲になった少女は端から父の隠し子であり、実は妹だったりするとゆー。親父自重しろ。
 聖人君子並みに人が良くて闘争心がまるでなく、ひょんな事から身に着けた内功も活かしきれない段誉は主人公として扱いづらかったのか、三巻からもう一人の主人公、喬峯が登場。
 喬峯は大酒のみの巨漢の拳豪で、丐幇(乞食の秘密結社。中華版盗賊ギルド?)の長であり、天下の絶技も身に着けているとゆー、実に大衆受けしそうなヒーローだ。
 しかも、彼は本人も知らなかったのだが漢人と敵対する契丹人であり、その事が露呈し丐幇を追われてしまう。
 契丹人に対する人種差別っぷりが凄まじく、弱気を助け強気をくじく義侠の人だった喬峯が物凄い人間不信に陥ってしまうほど。
 変装の達人の美少女、阿朱がついていてくれなかったら相当駄目になってたと思われる。
 この阿朱も段正淳の隠し子だったりするので、全く親父自重しろと。
 やや散漫な印象のお話だが、シーンごとに魅力があって、やっぱり面白いなあ。